文 | 小出 香
「あなたのいるコールセンターは何処にあるの?」
と聞かれたことはないだろうか。
当然のことながらクライアント組織の意向によって、マニュアルに
回答が記載されているだろう。
「複数のセンターがあり、私がいるのは〇〇です」と回答できることもある。
だが、「こちらは(本社所在地)です」と回答することになっている場合もある。
そしてオペレーターさんの名乗りがメチャメチャ地域独特の苗字で溢れている
センターもある。
研修でイントネーションは共通語に直すが、名乗りは変えられない。
単独拠点のセンターの場合、頻繁に電話を架けてくるお客様は気づいているはずだ。
注文や問い合わせといった普通のコールリーズンなら問題にはならない。
お客様が不満や苦情を抱えている場合には、これが突っ込みどころになる。
お客様にとって、その企業やブランドに対する不信感にもつながる。
そして、応対するオペレーターにとって心の負担に違いない。
もし、あなたがマネジメントするセンターにこんなケースがあるのなら、
勇気を持ってクライアント組織と交渉しよう。
苦情を訴えるお客様に真実とは異なることを告げるのは、オペレーターの心を
傷つけるのだ。
他にも、
「あなたは委託会社の人間ではないのか?」
「あなたは社員ではなくアルバイトではないのか?」
などの質問への回答についても同様のケースがあるだろう。
ESやEXの観点から早急に改善すべきだ。コンタクトセンターのオペレーターは宝。
せっかく育てたスキルや、お客様を思う優しい人柄も退職してしまってはゼロに
なってしまう。
電話の先のお客様満足を真に願うなら、オペレーターが不快な思いや不要な苦労を
しないよう、権限移譲も含め昔からの当たり前を見直してはどうか。